父方の祖母は、多くの資産を持っていた。
正確な額は知らないが、
かなりの金額だったと聞いている。
生活ぶりは派手だった。
食べ物や水、衣類にもお金をかけ、
訪問販売で様々なものを買っていた。
親族にも多くのお金を渡していたようだ。
車やマンション、事業資金など。
一方で、同居していた私たち家族には、
そうした支援はほとんどなかった。
それでも両親は、毎週のように食事を用意し、
祖父母の世話を続けていた。
やがて祖母の資産が減り始めると、
お金を受け取っていた親族は次第に離れていった。
分かりやすい変化だった。
そして祖母が亡くなった時、
資産と呼べるものはほとんど残っていなかった。
この出来事から考えたいのは、
誰かへの恨みではない。
お金の使い方そのものだ。
お金は使えばなくなる。
それは間違いない。
しかし、その使い方によって、
何が残るかは大きく変わる。
祖母は多くのお金を使っていたが、
その使い方が満足に繋がっていたようには見えなかった。
そして最後に残ったのは、
お金ではなく、人との関係だった。
ただしそれは、
お金を介した関係ではなかった。
見返りを求めずに関わり続けた人たちだけが、
最後まで残っていた。
お金は便利な道具だが、
それ自体が関係を作るわけではない。
むしろ使い方を間違えれば、
関係を歪めることすらある。
この出来事は、
それをはっきりと教えてくれた。

コメント