初めて一人暮らしをしたのは、八丈島でした。
島での生活は、都会で暮らしていた頃には気づかなかったことを、たくさん気づかせてくれました。
そのひとつが、「水をどう飲むか」ということです。
今思えば、少し大げさなくらい、毎日考えていました。
スーパーで水を買う。
自動販売機で水を買う。
スーパーでジュースを買う。
水道水を手ですくって飲む。
コップに注いで飲む。
冷蔵庫で冷やして飲む。
大きなボトルで冷やして飲む。
そして、麦茶パックを入れて飲む。
ただ喉を潤すだけなら、水道水で十分です。
生きるためだけを考えるなら、それで足ります。
では、麦茶パックは何なのでしょうか。
私は、お金の使い方を考えるとき、
「投資」「消費」「浪費」に分けて考えることがあります。
投資は、未来の自分のためになるもの。
消費は、生きるために必要なもの。
浪費は、なくても生きていけるけれど、心を潤すもの。
こう考えると、水そのものは消費です。
生きるために必要だからです。
では、麦茶パックは。
なくても死にはしない。
けれど、あると少し美味しい。
少し嬉しい。
少しだけ、生活が豊かになる。
だから私の中では、浪費です。
けれど私は、浪費が悪いものだとは思っていません。
むしろ、人間らしく生きるためには必要なものだと思っています。
例えば、毎日ミネラルウォーターを買う。
確かに美味しいかもしれない。
安心かもしれない。
けれど、その満足感に対して、
払っている金額は本当に見合っているのか。
麦茶パックなら、
安くて、手軽で、十分に美味しい。
私にとっては、
「少ないお金で大きく心が潤う」
正しい浪費でした。
ここで大切なのは、
浪費をなくすことではないと思っています。
自分が何にお金を払っているのかを知ること。
何に心が動いているのかを知ること。
例えばコンビニで水を買うときも、
水だけを買っているわけではありません。
近さ。
すぐ手に入ること。
冷えていること。
選ぶ手間がないこと。
そういう「便利さ」にお金を払っている。
それが悪いわけではない。
けれど、それを「ただの消費」と思っていると、
気づかないうちに生活は苦しくなる。
私は、お金に執着したくありません。
だからこそ、お金の使い方を考えます。
何に使うと自分は満たされるのか。
何に使うと後悔するのか。
何に使うと、心が真っ直ぐ前を向くのか。
そういうことを知っていけば、
必要以上にお金に振り回されずに済む気がしています。
麦茶パックは浪費か。
私の答えは、浪費です。
でも、正しい浪費です。
今の時代だからこそ、
そういう浪費を、
ひとつひとつ選び取って生きていきたいと思っています。

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